『 月はどっちに出ている 』
犬に引かれて夜の散歩に出るようになって、気付いた事.....
春の宵のあの何とも言えない艶かしさ『 春の宵は値千金 』と
冬の夜空の美しさ、レース編みを広げたような冬の星空....
高く澄んだ夜空に、はっきりちりばめられた星座群
オリオン座だけは,どの季節であってもすぐ解る。
と言う事は.....あの一番光っているのがペテルギウスだ!
南の空から東の空に向かって目を移す.....おおいぬ座
シリウスとこいぬ座プロキシオンが見える!
アア、これが冬の大三角形だ!
犬も私の横に並んで座って、星空をながめている。
犬にも美しいものが理解できるのだろうか?
南の空、東の空と言っても、ここらは生駒山や淀川等
方角の目印が有る。
ふと思いだして、一人でフッフッと笑ってしまった。
崔洋一監督映画、『月はどっちにでている』..で、田舎から
出てきたタクシー運転手が、広い東京の街中で自分の居場所が
解らなくなり、勤務先のタクシー会社に電話をいれる訳だ。
毎回、毎回 『アノ~、私はどこに居るのでしょうか.....?』と。
それに対し、会社の電話受付係は、『〇〇さん、月はどっちに
出ていますか?』と聞く。
可笑しいけど、何か悲しい、でも可笑しくて、たくましい訳だ。
( 岸谷五郎とルビー.モレノ )
この映画が封切られた時、見に行った。
あまり何とも思わなかった。主演の岸谷五郎がまだ若い頃で
きっと岸谷五郎を、ビジュアル的に好きではなかったのだと思う.....
先日、ケーブルテレビで放映しているのを再度見た。
『あれ~、これ、ヤン.ソギルの小説<タクシー狂躁曲>じゃあないの』
と思いながら、もう一度映画を見た訳だ。
小説を読んで映画を見る....やはり、これが最高におもしろい!!
岸谷五郎の声がイイ♡♡と、新しい発見もあつた訳だ。
今観ると....ものすご~く良い映画だと思った。
タクシー運転手 『お客さん、どちらまでいきましょ?......』
ルビーモレノ扮するホステス 『フィリピンのマニラまで~ 』
タクシー運転手 『ハイ、承知! 』
と、タクシーが走り出す。 楽しい!逞しい!
映画を堪能したような気がする訳だ。