夏が逝く….
『 逝く夏……. 』と書いたら、何の躊躇いもなく『 字が違ってるワ~。゛ 行く ゛よ!! 』
と、言った友が居た。
『 逝く夏……』と書いたら、少しからかう様な目で 『 文学青年だつたのネ…. 』と
言った友が居た。
人それぞれ、感性が違うのだナ~と思い、可笑しかった。
私は『 逝く夏 』……の方だナ~。
あれほど猛々しく力に満ちていたものが、少しずつエネルギ-を失い、忍び寄る秋に
取り込まれ、無くなってしまう…..やはり『 逝く 』という表現の方がピッタリくる。
かつて、過ぎ行く夏を実に見事に表現した女流作家がいた…….。
彼女の名は『 森 瑤子 』……..ずいぶん若くして、人気作家としての頂点で亡くなって
しまう訳だから、見事に表現したと言うより、盛りにあるものが急激に力を失い、ついには
消えて無くなってしまうという喪失感は、森 瑤子自身の実感だつたのだろう。
彼女の熱烈なフアンだった私は、惨い話しだと思ったし、死亡の記事を新聞で見たとき
本当に悲しかった。
この頃、私は秋という季節の美しさが解るようになってきた。
例えば、満月のあの氷のような光と冷たい美しさ、射すくめられる程のパワー……..
秋の夜空は美しい!! それは私が人生における`秋`にさしかかった………と、言うことなのかナ~。