宮本輝 `命の器`…..
宮本輝、『 命の器 』について…….
例えて言うと、こんな感じかナ~
私にはとてもよく効く サプリメントが有るとする…….
だからと言って、それを知人のAさんが飲んでも、私と同じ様に
効くとは限らない。 何の効果も得られない事だつて有る訳だ。
宮本輝のエッセイ集の中に、『 命の器 』というエッセイが有る。
私は、このエッセイがすごく好きだし、又、私自身お客さん
商売をやって来て、いろいろな人と出会い、関わり、観察し…….
このエッセイに書かれてある事と同じ事を観てきた訳だ。
しかし、悲しいかな私は小説家でもエッセイストでも無い、
だからそれらを表現する能力を持ちえない。
親しくしている何人かに、『 命の器 』というエッセイ集を贈った。
( あなたと私が出会い、こうして関わっている事に、例え一瞬でも心を
留めてみていただければ………)
只、誰からもその後、『 あの本読んで~〇〇〇 』とか他、感想らしき事を
言われた記憶は無い。
だから、前出のサプリメントの例えで、私にとっては心をわしづかみされる程
凄い話しでも、他の人にとっては別にどうって事無い話しなのやも知れない。
『 命の器 』の内容を少しだけ抜粋してみた。
運の悪い人は、運の悪い人と出会ってつながり合っていく…….(中略)
実に不思議な事だと思う。
『 類は友を呼ぶ 』 という諺が含んでいるものより、もっと奥深い法則が
人と人の出会いをつくり出しているとしか思えない……..( 中略 )
企んでそうなるのではなく、知らぬ間にその様に成ってしまうのである。
抗っても抗っても、自分という人間の核を成すものを共有している
人間としか結びついていかない。
その恐ろしさ、不思議さ。 私は最近やっとこの人間世界に存在する
数ある法則の中のひとつに気付いた。
『 出会い 』とは、決して偶然ではないのだ。
でなければどうして 『 出会い 』が、一人の人間の転機と成り得よう….( 中略 )
どんな人と出会うかは、その人の命の器次第なのだ。
以上………
出会いとは、明るく綺麗なイメージだけでは捉えられない。
『 抗っても抗っても、引き合っていく…..』 『企んでそうなるのではなく 』
『 その恐ろしさ、不思議さ…』
出会いとは、抗えなく、不思議で、恐ろしく、そして一人の人間の転機と
成りえる程すごいものなのである。 誰だってより良い出会いをのぞむ。
しかし、同じ者同士が引き合っていく現実………恐ろしい一面を有している!