柱本居酒屋忌憚
柱本の居酒屋、はらぐちに行く。
まずは生ビールの中ジョッキを注文。
『 何食べはる? …』なんてママはヤボな事は言わない。
マグロの刺身が2人前いっしょに出てくる。
私はマグロの刺身が好きなのだ。
だからまず、始めはマグロの刺身から….。
今日もいっしょになった彼。 居た、居た、H君。
H君は、(自称)居酒屋はらぐちの次期マスターだとか。
H君は小気味よい九州言葉で、今の時世、三島由紀夫の
様な人間を待望する云々….持論を話す。
『11.25自決の日—–』の映画監督、若松孝二氏が交通事故で
早逝した事も重なり、話しが盛り上がった。
H君曰く、『俺、別に右翼じゃあ無いけど、筋を通すと云うか..
そう云う事って、ものすごく大事な事じゃあないかナと思う』と。
( 良い映画をもっと撮ってほしかったナ~監督(涙)...)
で、私もつい興にのって、若松監督の『11.25自決の日—』の
映画を観に行った時の話しをした。
十三の映画館しか上映していなかったので、ずい分早い時間に
着いてしまい、ロビーで長いこと待った。
『この映画を観に来る人って、厳く勇ましい男達だろうな』と
勝手に思い込んでいた訳だ。
私の次に来た人は、お爺ちゃんで、チケット売り場の女の子に
『老人一枚』と言った。
女の子が『ハァ~?』と聞き返すと.....
『何やったら身分証明見せましょか』とお爺ちゃんが言う。
(水曜日の60歳以上優待日のことらしい)
『イエ、結構です!』と女の子が答えた。
身分証明書を確認しなくても十分60歳以上だと解る(笑)
次に来たのは、虫の様なおばちゃん...。つまり、『本の虫』。
ああ、この人は、作家、三島由紀夫が好きなのだ。
非力、非力....
次に来たのが、若い娘。
可愛らしい顔だちで、見るからに優しい佇まいだ。
次が、教師をリタイアしたばかりの年代、国語の先生風の女性。
非力、非力.....
次に来たのが...
その後もずっと優しげで非力な人ばかり来た。
アア~、H君、ごめん! 話しのこしを折ってしまったワ~。
つまり、私が言いたかったのは..
『11.25自決の日....』あんなハードな映画を観に来た
人達が、優し気な人ばかりだったのが驚きだった訳—–
目の前で三島由紀夫を語る、H君の勇姿とのギャップが可笑しい!