父の日の思い出……
母の日が過ぎて、我が家の玄関先はにわかに鉢植えの花々で
賑やかになった。カ-ネ-ションとベゴニア……….
レインボ-カ-ネ-ションも東京から届いた。
カ-ネ-ションのヒラヒラした花弁の一枚一枚が違う色なのだ。
希少価値に価値を求める、東京人らしい贈り物だと思った。
そして………..もう間もなく『父の日』がやってくる。
昨日、お父さんがお爺ちゃんに、父の日のプレゼントで腕時計を
買うと言い、金張りがエエとか、軽いのがエエとか、はたまた品の
良いのに限るとか………品定めに余念がない。
私は、『父の日』『腕時計』という2つのコンセプトで思い出した事が有る。
相手の方はもう鬼籍に入られたから、言ってもいいかナ~
今から、〇十年前………..、世の中はバブル景気で沸き立っていて、
私が景気が良かったと言う意味では無いけど、気分はつられてバブルよ。
『父の日』にデパ-トで、高級ブランドの超高い腕時計を買ってプレゼント
した訳だ。それはそれはオシャレでね…….父さんも大喜びしてくれた。
ある日、店にマダム〇〇さんが来店……..。父さんの時計を見るなり、
『キャ~!! 社長とウチ、お揃いや!! ほらね!! 』と腕を突き出した。
マタム〇〇の腕には、高級ブランドの超高いレディ-スの時計が巻かれて
いた。そして型は同じ……..メンズとレディ-スの違いだけ、つまりペアウオッチ
だった訳だ。 『ウチな~、これ高かったけど思い切って買うてん!!、社長
ウチ等同じ好みやわ~(笑) 』………
なぜか父さんは、次の日からその時計をしなくなつた。
何故か…..と、私が聞くと、『マダム〇〇とペアウオッチだと解った途端に
嫌になつたんや!! 』と言う訳だ。
私には理解しずらい感性だつた。単なる品物やのに……….